LIVE
「LIVE」 1CD 録音:SBD/A+
Disc 1
1, Over The Hills And Far Away
2, Misty Mountain Hop
3, Since I've Been Loving You
4, Bron-Y-Aur Stomp
5, Dancing Days
6, The Song Remains The Same
7, The Rain Song
8, Stand By Me
4月中旬にダイカン9Fからぶっとんだアイテムがリリースされました。それが今回ご紹介するLed Zeppelinの『LIVE』です。まずは、リリース時の宣伝文句をどうぞ笑↓
「ZEP不朽の名盤「LIVE IN JAPAN 1971」のCD復刻リリースはおかげさまで大好評となりましたが、そのリリースから「是非とも他のOG盤もCD復刻してもらえないか」との声を多数いただきました。そこで今回は伝説のOGレーベルが生み出したZEPタイトル、もう一つの名盤である「LIVE」を復刻いたします。「LIVE IN JAPAN」に続いて72年の来日公演もOGがリリースしてくれたのですが、これまた摩訶不思議なデザインのジャケットですよね…でもそれがまた魅力的でもあります。
しかもこのLPはオーディエンス録音でのリリースとなった訳ですが、その音質がまた実に素晴らしい!当初のOGはもう一つのZEPタイトル「IN CONCERT」を始めとして録音のクオリティはそれほど高くなかったのですが、大阪の録音上手なテーパーが見つかったのか、あるいはOG自身が録音機材を変えたのか、とにかく一気に音質が良くなります。このLPに収録されたステレオ・オーディエンス録音のクオリティは今聴いてもまったく色褪せないクリアネス、あまりの極上音質にひたすら驚かされてしまいます。
これほどの極上音源ですので「LIVE」はコピー盤が生み出されました。それがTMOQ系列からのリリースだと言われる「MY BRAIN HURTS」。こちらもタイトルを始めとして非常に有名なLPですが、所詮はコピー盤ですので、音質のダウナーぶりもかなりのものがありました。しかし「LIVE」が入手困難でスリック・カバーの「MY BRAIN HURTS」が大量に流通していたことから、例え劣化していてもこちらでOG音源を聴かれたマニアが大多数ではないでしょうか。
ところが今回のCDを聴いてしまうと…もう「MY BRAIN~」を聴く気は二度と起きないでしょう。これでただでさえ中古市場で見かけやすい「MY BRAIN~」がさらに溢れてしまうかもしれませんね(笑)。それほど「LIVE」の肉厚感あるステレオ・サウンドは素晴らしい。そうとしか表現のしようがありません。
CDでは「LIVE」のアートワークを流用した「TAPES FROM THE DARKSIDE」の音源が有名で、音質の傾向も似ています。これら10月9日大阪フェスティバルホールの音源はどれも「ジミーのギターの音が大きい」という共通点がありました。これだけ音質の辻褄が合っていると、当日の会場でもそのようなサウンドが鳴り響いていて、それが二種類の音源の間で見事に封じ込められたということになります。それと大阪フェスティバル・ホールのような大きさの会場の臨場感、そして72年の来日公演特有のゆったりとした雰囲気も同様でしょう。
しかしあのクリアーな音質が魅力な「TAPES FROM~」音源ですら、OG盤「LIVE」のオンな音像とクリアネスの前では見劣りしてしまいます。さすがはOGクオリティ。もしかしたら当店が同じようにリリースした(そしてSold Outした)エリック・クラプトンの「ON TOUR」も同じテーパーなのかもしれません。
そんな「LIVE」ですが、LP一枚というスタイルでリリースされてしまったことから、ライブの完全収録からは程遠い内容となってしまいました。その点が唯一惜しまれるかと思います。だからこそLP一枚に収めるに当たっての選曲がまた実に興味深いものがあります。明らかに当時リリース前だった「HOUSES OF HOLLY」に収録されることになる新曲を優先した選曲であることが伺えるのです。あるいは「LIVE IN JAPAN」とのダブりを避けたということも推測されます。こうして凝縮された内容が結果によって72年の来日公演において声が衰え始めたプラントのウィーク・ポイントが目立たない曲が集まっている点も面白いではありませんか。それでもまだこの時点におけるプラントの声質自体は「若さ」を保っており、そこが73年以降の彼と決定的に違う点も音質が良いのでリアルに伝わってきます。
そして10月9日の大阪と言えばアンコールで披露された「Stand By Me」のカバー。それを「LIVE」ならではの高音質でプレイバックするとこれが本当にご機嫌な演奏で、聴いていて思わず頬が緩んでしまいます。これほど有名な曲をZEPが日本だけで披露してくれたというのはラッキーだったとしか言いようがありません。来日公演前の72年アメリカツアーでは同じようにシアトルでの「Money (That’s What I Want)」、LAの「Whole Lotta Love」メドレーに登場した「Slow Down」といったロックンロール・スタンダードのカバーが披露されていましたが、あれだけ自由に演奏していたアメリカでも聴かれなかった「Stand By Me」はやはり名演です!何しろ「LIVE」もOGのメガレア盤ですので、その高音質に今回初めて触れられる方も多いかもしれません、是非とも別格のOGクオリティを限定のプレスCDにて体感してください!」
こんなに音が良い音源が残っていたのは正直かなりの衝撃でした。ZEP関連のブートにはそこまで詳しくないので元々こんなLPが存在していたことも知りませんでしたし。宣伝文句に偽りなしの圧倒的な音質です。ベースが気持ち少し引込みぎみの録音ではありますが、ペラペラな音では決してありません。低音〜高音まできっちり捉えております。録音のレンジもこの時代を考慮したら広めな方ではないでしょうか?The Rain Songなどにおけるメロトロンのサウンドまでくっきりです!
そして演奏内容も素晴らしくエネルギッシュ!プラントのボーカルは72年の途中から変調をきたし、特に73年以降はかなり聴いていて辛いコンディションになってしまうのですが、この日の音源では71年を彷彿とさせる自由自在でパワフルな彼のボーカルを堪能できます。The Song Remains The Sameでは、ボンゾのイントロから「王者の余裕」ともいうべき勢いと貫禄が感じられ、個人的にかなり気に入っております。ジミーさんも弾きまくり!
そして、ラストトラックには、Ben. E. Kingの名曲Stand By Meを収録!あの有名なイントロをジミーはエレキギター一本で再現していますが、最初はちょいダサい笑
ただ、プラントが歌い始めてしまえばそこは流石のLed Zeppelinというべきか、6分超えのカバーとなっています。小慣れてきて要所要所で挟んでくるジミーのギターから繰り出されるオカズフレーズがかなりかっこいいです笑
欠点といえば宣伝文でも触れられているように、全曲収録ではない点でしょう。なお、最近になって、別音源?のようですが、Boleskine House Recordsというレーベルから、同日の全曲収録?ブートも新たにリリースされたようです。音質は今回の『LIVE』がぶっちぎりでしょうが、こちらも面白そうですね^^
最近ダイカン9Fで流行っているアナログLPブート復刻シリーズは、その存在を知らなかった新規マニアにとっても、長年追い求めているコアマニアにとっても、涎ダラダラもんのクオリティを誇っているものが多いですね。これからもZEPを中心にシリーズが続くのだろうと思われますが、楽しみです!今回のタイトルも大満足でございました。
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